Windows 11のタブレットモード設定完全ガイド

Windows 11のタブレットモード – 基本を理解する

タブレットモードとは、キーボードやマウスを使わずに画面をタッチして操作するためのモードです。Windows 10では「タブレットモード」という明確な機能がありましたが、Windows 11ではこの概念が大きく変わりました。

実は、Windows 11では従来の「タブレットモード」という機能が廃止されています。代わりに、デバイスの使用状況を自動的に検知して、タッチ操作に最適化されたインターフェースに切り替わる仕組みになりました。

これは単なる機能の削除ではなく、マウス操作とタッチ操作を統合するという、Microsoftの9年に及ぶ長い道のりの集大成なのです。

Windows 11のタブレットモード画面表示Windows 11のタブレットモードは、キーボードが取り外されたり、デバイスがタブレット形状に変換されたりすると自動的に有効になります。この変更により、ユーザーは操作方法を意識することなく、シームレスにデバイスを使用できるようになりました。

では、このタブレットモードでは具体的に何が変わるのでしょうか?

タブレットモードの主な特徴

Windows 11のタブレットモードでは、タッチ操作をより快適にするためのいくつかの変更が自動的に適用されます。

まず、アイコンやボタンが大きく表示され、指での操作がしやすくなります。また、タスクバーのアイコン間隔が広がり、誤タップを防止します。

さらに、仮想キーボードが必要に応じて自動的に表示されるようになり、テキスト入力も快適です。

Windows 11では、3本指や4本指を使ったジェスチャー操作も大幅に強化されました。例えば、3本指で上にスワイプするとタスクビューが表示され、左右にスワイプすると仮想デスクトップを切り替えることができます。

これらのジェスチャーはトラックパッドのジェスチャーと統合されているため、操作方法を覚えやすいのも特徴です。

タブレットモードの自動切り替え設定

Windows 11では、タブレットモードへの切り替えは基本的に自動で行われます。しかし、この自動切り替えの挙動をカスタマイズすることは可能です。

自動切り替えの設定を確認・変更するには、以下の手順で操作します。

Windows 11のタブレット設定画面まず、スタートメニューから「設定」アプリを開きます。左側のメニューから「システム」を選択し、次に「タブレット」をクリックします。

ここでは、タッチスクリーンデバイスの動作に関するいくつかの設定を変更できます。

「キーボードが取り外されたときの動作」という項目では、キーボードを取り外した際にタブレットモードに切り替えるかどうかを設定できます。「切り替えない」「常に切り替える」「確認する」の3つのオプションから選択可能です。

また、「タブレットとして使用しないときのタスクバーの動作」では、通常モードでのタスクバーの表示方法を設定できます。

タブレットモードを手動で切り替える方法

Windows 11では、タブレットモードを手動でオン・オフする直接的な設定はありません。しかし、レジストリを編集することで、タブレットモードを強制的に有効または無効にすることができます。

ただし、レジストリの編集は上級者向けの操作であり、誤った編集はシステムに問題を引き起こす可能性があります。必ずバックアップを取ってから行ってください。

レジストリエディタを使用して「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\PriorityControl」に移動し、「ConvertibleSlateMode」の値を変更することで、タブレットモードを制御できます。値を「0」にするとタブレットモードが有効になり、「1」にすると無効になります。

もっと簡単な方法としては、以下の内容を含む2つのレジストリファイルを作成し、必要に応じて実行する方法もあります。

タブレットモードが切り替わらない場合の対処法

タブレットモードが正しく切り替わらない場合、いくつかの対処法があります。

まず、キーボードが正しく接続されているか確認してください。Bluetooth接続のキーボードでは、タブレットモードの切り替えが正常に機能しない場合があります。

また、フリップスクリーンが搭載されたデバイスの場合は、画面を元の向きに戻すことでタブレットモードが切り替わることがあります。

それでも問題が解決しない場合は、Windows 11を再起動してみてください。多くの小さな問題は再起動で解決します。

タブレットモードでの操作テクニック

タブレットモードでWindows 11を効率的に使いこなすには、いくつかのテクニックを覚えておくと便利です。

特に、タッチジェスチャーを活用することで、キーボードやマウスがなくても快適に操作できるようになります。

Windows 11のタッチジェスチャー操作Windows 11では、以下のようなジェスチャー操作が可能です。

  • 1本指のタップ:アプリやボタンの選択
  • 1本指の長押し:右クリックメニューの表示
  • 2本指のピンチイン/アウト:ズームイン/アウト
  • 2本指のスワイプ:スクロール
  • 3本指の上スワイプ:タスクビューの表示
  • 3本指の左右スワイプ:仮想デスクトップの切り替え
  • 3本指の下スワイプ:デスクトップの表示
  • 4本指の左右スワイプ:仮想デスクトップの切り替え(3本指と同様)

これらのジェスチャーを使いこなせば、タブレットモードでの作業効率が大幅に向上します。

どうですか?タッチ操作だけでこれだけのことができるなんて、驚きませんか?

スナップレイアウトの活用

Windows 11の新機能「スナップレイアウト」は、タブレットモードでも非常に便利です。

ウィンドウの上部にある最大化ボタンにマウスを合わせると表示されるスナップレイアウトですが、タッチ操作では、ウィンドウの上部を長押しして少し動かすと表示されます。

これを使えば、画面を分割して複数のアプリを同時に表示できます。例えば、ブラウザとメモアプリを並べて表示したり、4つのアプリを均等に配置したりすることが可能です。

タブレットモードでマルチタスクを行う際には、このスナップレイアウト機能を積極的に活用しましょう。

仮想キーボードの活用

タブレットモードでは、テキスト入力が必要な場面で自動的に仮想キーボードが表示されます。この仮想キーボードには、通常のキーボードレイアウトの他に、いくつかの便利なモードがあります。

例えば、分割キーボードモードでは、キーボードが左右に分かれて表示され、両手の親指だけで入力しやすくなります。また、手書き認識モードでは、スタイラスや指で文字を書くことでテキスト入力ができます。

仮想キーボードの右下にある歯車アイコンをタップすると、これらのモードを切り替えることができます。自分の使いやすいモードを見つけて、効率的に入力しましょう。

タブレットモードのカスタマイズと最適化

Windows 11のタブレットモードをより快適に使うために、いくつかのカスタマイズと最適化を行うことができます。

これらの設定を調整することで、自分の使い方に合ったタブレット体験を実現できるでしょう。

Windows 11のタブレットモードカスタマイズ設定画面タッチ操作の感度調整

タッチ操作の感度が高すぎたり低すぎたりする場合は、設定で調整することができます。

「設定」アプリを開き、「Bluetoothとデバイス」→「タッチ」と進みます。ここでは、タッチ操作に関するいくつかの設定を変更できます。

例えば、「誤操作の防止」をオンにすると、画面の端からのスワイプが誤って認識されるのを防ぐことができます。また、「タッチインジケーター」をオンにすると、タッチした場所が視覚的に表示されるようになります。

タッチパネルの反応が悪い場合は、「タッチパネルのキャリブレーション」を実行することで改善することがあります。これは、コントロールパネルの「タブレットPC設定」から行うことができます。

バッテリー持続時間の最適化

タブレットモードでは、バッテリーの持続時間が重要です。Windows 11には、バッテリー消費を抑えるためのいくつかの設定があります。

「設定」→「システム」→「電源とバッテリー」では、バッテリー使用時の電源モードを「省電力」に設定することで、バッテリー持続時間を延ばすことができます。

また、「バッテリー使用状況」セクションでは、どのアプリがバッテリーを多く消費しているかを確認できます。不要なアプリを終了させることで、バッテリー持続時間を改善できるでしょう。

画面の明るさも、バッテリー消費に大きく影響します。アクションセンターから明るさを調整するか、「設定」→「システム」→「ディスプレイ」で自動明るさ調整を有効にすることをおすすめします。

スタイラスペンの設定

Surface PenなどのスタイラスペンをWindows 11デバイスで使用している場合、その設定をカスタマイズすることで、より快適に使用できます。

「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「ペン」では、ペンのボタンに割り当てる機能や、ペンを使用した際の視覚的フィードバックなどを設定できます。

例えば、ペンのボタンを押したときに特定のアプリを起動するように設定したり、右クリックやスクリーンショットの撮影などの機能を割り当てたりすることができます。

また、ペン使用時の手の書き心地を調整する「手書き設定」もあります。ここでは、手書き認識の精度向上や、利き手に合わせた設定が可能です。

タブレットモードで便利なアプリと機能

Windows 11のタブレットモードをより活用するために、タッチ操作に最適化されたアプリや機能を知っておくと便利です。

Microsoft Storeには、タッチ操作に対応した多くのアプリがあります。特に、Microsoft純正のアプリはタブレットモードでの使用を考慮して設計されています。

Microsoft Office アプリ

Microsoft Officeのアプリはタブレットモードでも快適に使用できるように最適化されています。

特にOneNoteは、タッチ操作やスタイラスペンでのメモ取りに最適です。手書きのメモをデジタル化したり、図や表を簡単に挿入したりすることができます。

WordやExcel、PowerPointなども、タブレットモードでの使用を考慮したインターフェースを備えています。リボンメニューのボタンは指でタップしやすいサイズになっており、タッチ操作でも迷わず使えます。

PCユービックでは、Windows 11と相性の良いOffice製品も取り扱っています。永続版のOfficeライセンスを格安で入手できるので、タブレットモードでの作業効率を高めたい方にはおすすめです。

Windows Inkワークスペース

Windows Inkワークスペースは、スタイラスペンを活用するための機能セットです。タスクバーの右端にあるペンアイコンをクリックするか、スタイラスペンのボタンを押すことで起動します。

ここでは、スティッキーノート、スケッチパッド、スクリーンスケッチなどのツールを簡単に起動できます。特にスクリーンスケッチは、画面上に直接書き込みができるため、プレゼンテーションや説明時に便利です。

また、Windows Inkでは手書き文字の認識精度も向上しており、手書きのメモをテキストに変換する機能も充実しています。

タブレットモードに最適化されたブラウザ

Microsoft Edgeは、Windows 11のタブレットモードでの使用を考慮して設計されています。タブやメニューは指でタップしやすいサイズになっており、スワイプによるページ移動もスムーズです。

Edgeの「閲覧モード」を使えば、余分な要素を排除してコンテンツに集中できます。また、PDFへの書き込み機能も充実しており、タッチ操作やスタイラスペンでPDFに直接注釈を付けることができます。

さらに、Edgeの「コレクション」機能を使えば、ウェブ上の情報を簡単に整理・保存できます。リサーチやショッピングなど、複数のページを行き来する作業に便利です。

まとめ:Windows 11タブレットモードの活用法

Windows 11のタブレットモードは、従来のWindows 10と比べて大きく進化しました。明示的な「タブレットモード」という機能はなくなりましたが、その代わりにタッチ操作とマウス操作が統合され、よりシームレスな体験が実現されています。

キーボードの取り外しや画面の回転など、デバイスの状態に応じて自動的に最適なインターフェースに切り替わる仕組みは、ユーザーの手間を大幅に減らしてくれます。

タッチジェスチャーの強化やスナップレイアウトの導入など、タブレットとしての使い勝手も向上しており、キーボードやマウスがなくても効率的に作業できるようになりました。

また、設定のカスタマイズやスタイラスペンの活用、タッチ操作に最適化されたアプリの利用など、タブレットモードをより快適に使うための方法も多数あります。

Windows 11を搭載した2-in-1デバイスやタブレットをお持ちの方は、ぜひこれらの機能や設定を試してみてください。きっと新たな使い方や可能性が見つかるはずです。

PCユービックでは、Windows 11の正規ライセンスを格安で提供しています。タブレットモードの恩恵を最大限に受けるためにも、最新のWindows 11へのアップグレードをご検討ください。

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