Windows 11でメモリ増設を検討する理由
パソコンの動作が遅い……。
Windows 11にアップグレードしてから、なんとなく重く感じることはありませんか?複数のアプリを同時に開いたり、ブラウザのタブを増やしたりすると、動作がもたついてしまう。そんな悩みを抱えている方は少なくありません。実は、その原因の多くは「メモリ不足」にあります。Windows 11は以前のバージョンと比べて、システム自体がより多くのメモリを必要とするため、従来の環境では快適さが損なわれることがあるのです。
メモリ増設は、パソコンのパフォーマンスを劇的に改善できる最もコストパフォーマンスに優れた方法のひとつです。CPUやストレージの交換と比べて作業も簡単で、投資額も抑えられます。しかし、「どれくらいの容量が必要なのか」「増設すると本当に速くなるのか」といった疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、Windows 11環境におけるメモリ増設の効果から、用途別の推奨容量、選び方のポイントまで、実践的な情報を網羅してお伝えします。
Windows 11のメモリ要件と現実的な必要容量
公式システム要件は「4GB以上」だが……
Microsoftが公開しているWindows 11のシステム要件では、メモリは「4GB以上」とされています。
しかし、これはあくまで「最低限動作する」レベルの数値です。実際に4GBのメモリでWindows 11を使用すると、システムの起動だけでメモリの大半が消費され、アプリケーションを開く余裕がほとんどありません。ブラウザで複数のタブを開いたり、Officeソフトで資料を作成したりする程度の作業でも、動作が遅くなったりフリーズしたりする可能性が高くなります。
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快適に使うなら最低8GB、推奨は16GB
現実的な使用を考えると、Windows 11を快適に動かすには最低でも8GBのメモリが必要です。8GBあれば、一般的なウェブブラウジングやOffice作業、軽めの画像編集などは問題なくこなせます。ただし、複数のアプリを同時に起動したり、ブラウザで多数のタブを開いたりする使い方をする場合は、8GBでも不足を感じることがあります。
より快適な環境を求めるなら、16GBが推奨されます。16GBあれば、日常的な作業はもちろん、写真編集や動画視聴、軽めのゲームなども余裕を持って楽しめます。テレワークで複数のビデオ会議ツールやドキュメントを同時に開く必要がある方にも、16GBは安心できる容量です。
メモリ圧縮機能とSSDの影響
Windows 10以降には「メモリ圧縮」という機能が搭載されており、物理メモリが不足した際に、使用頻度の低いデータを圧縮してメモリ内に保持します。これにより、従来よりもスワップ(仮想メモリへのデータ退避)の発生が抑えられています。また、ストレージがHDDからSSDに変わったことで、万一スワップが発生しても、体感速度の低下が以前ほど顕著ではなくなりました。
しかし、これらの技術があるからといって、メモリ不足を放置していいわけではありません。メモリ圧縮やスワップは、あくまで「メモリ不足を補う緊急措置」であり、十分なメモリがある状態に比べれば、パフォーマンスは確実に低下します。快適な環境を維持するには、やはり物理メモリの容量を確保することが最も効果的です。
メモリ増設による体感速度の変化
シングルチャネルとデュアルチャネルの違い
メモリ増設を考える際、容量だけでなく「チャネル構成」も重要です。
メモリを1枚だけ搭載する「シングルチャネル」と、2枚組で搭載する「デュアルチャネル」では、データ転送速度に大きな差が生まれます。デュアルチャネル構成では、2枚のメモリが同時にデータをやり取りするため、理論上は転送速度が2倍になります。実際のベンチマークテストでも、同じ容量でもデュアルチャネルの方が明確に高いスコアを記録します。
たとえば、32GBのメモリを搭載する場合、32GB×1枚よりも16GB×2枚の方が、体感速度が向上する可能性が高いのです。特にグラフィック処理や動画編集など、大量のデータを扱う作業では、この差が顕著に現れます。
16GBから32GBへの増設効果
一般的な作業では、16GBと32GBの差を体感することは少ないかもしれません。ウェブブラウジングやOffice作業、軽めの画像編集程度であれば、16GBで十分なパフォーマンスが得られます。実際、多くのベンチマークテストでも、軽作業においては16GBと32GBでほとんど差が見られません。
しかし、高解像度の動画編集、3DCGソフトの使用、複数の仮想マシンの同時起動、大規模なデータ処理など、メモリを大量に消費する作業を行う場合は話が変わります。こうした用途では、32GB以上のメモリがあることで、作業の快適さが大きく向上します。また、複数のアプリケーションを常時起動したまま作業する習慣がある方にも、32GBは余裕のある環境を提供してくれます。
メモリ不足のサインを見逃さない
メモリが不足しているかどうかは、タスクマネージャーで確認できます。Ctrl+Shift+Escキーを押してタスクマネージャーを開き、「パフォーマンス」タブの「メモリ」を見てください。使用率が常に80%を超えている場合は、メモリ不足の可能性があります。また、「ディスク」の使用率が頻繁に100%近くになる場合も、スワップが発生している兆候かもしれません。
こうしたサインが見られる場合は、メモリ増設を検討する良いタイミングです。
用途別の推奨メモリ容量
8GB:軽作業・ウェブブラウジング中心
8GBのメモリは、基本的なパソコン作業には十分です。ウェブブラウジング、メールの送受信、Officeソフトでの文書作成や表計算など、日常的な業務であれば問題なくこなせます。ただし、ブラウザのタブを大量に開いたり、複数のアプリを同時に起動したりする使い方には向いていません。また、写真編集や動画視聴も可能ですが、高解像度のコンテンツや大容量ファイルを扱う場合は、動作が重くなることがあります。
16GB:一般的なビジネス用途・軽めのクリエイティブ作業
16GBは、現在最もバランスの取れた容量です。
ビジネス用途では、複数のOfficeアプリケーション、ブラウザ、メールクライアント、ビデオ会議ツールなどを同時に起動しても、快適に作業できます。また、写真編集ソフトでの画像加工、フルHD動画の編集、軽めの3Dモデリングなど、クリエイティブな作業にも対応できます。プログラミングや開発環境の構築にも十分な容量です。
コストパフォーマンスも優れており、多くのユーザーにとって「ちょうどいい」選択肢と言えます。
32GB:高解像度動画編集・3DCG・ゲーム実況
32GBのメモリが推奨されるのは、プロフェッショナルなクリエイティブ作業や、高負荷なタスクを行う場合です。4Kや8Kといった高解像度動画の編集では、大量のデータを一時的にメモリに保持する必要があるため、32GB以上が理想的です。3DCGソフトや3DCADソフトを使用する際も、複雑なモデルやシーンを扱う場合は、32GBあると作業効率が大きく向上します。
また、最新の超大作PCゲームやVRゲームを高画質設定でプレイする場合や、ゲーム実況で配信ソフトとゲームを同時に動かす場合にも、32GBは有効です。複数の仮想マシンを同時に動かす開発者や、大規模なデータ分析を行う研究者にも推奨される容量です。
64GB以上:プロフェッショナル向け・特殊用途
64GB以上のメモリは、一般的なユーザーには過剰ですが、特定の用途では必要になることがあります。たとえば、8K動画の編集、大規模な3Dレンダリング、複数の仮想マシンを同時に稼働させる開発環境、科学技術計算や機械学習のトレーニングなどです。こうした作業では、メモリが多ければ多いほど、処理速度や作業効率が向上します。
ただし、一般的なベンチマークテストでは、32GBと64GBの差はほとんど見られないことが多いため、自分の用途に本当に必要かどうかを慎重に判断することが大切です。
メモリの選び方〜規格・速度・互換性
DDR4とDDR5の違い
現在主流のメモリ規格は「DDR4」と「DDR5」の2種類です。DDR5は新しい規格で、DDR4よりも高速なデータ転送が可能ですが、価格も高めです。また、DDR5を使用するには、対応したマザーボードとCPUが必要になります。既存のパソコンにメモリを増設する場合は、現在搭載されている規格と同じものを選ぶ必要があります。
DDR4は成熟した規格で、価格が手頃になっており、コストパフォーマンスに優れています。一般的な用途であれば、DDR4でも十分な性能が得られます。一方、最新のハイエンドPCを構築する場合や、将来性を重視する場合は、DDR5を選択するのも良いでしょう。
メモリ速度(MHz)の重要性
メモリには「DDR4-2666」や「DDR4-3200」といった表記があり、この数字がメモリの動作速度(クロック周波数)を示しています。数字が大きいほど高速ですが、実際の体感速度への影響は、用途によって異なります。
一般的な作業では、DDR4-2666とDDR4-3200の差を体感することは少ないでしょう。しかし、ゲームや動画編集など、メモリ帯域幅を多用する作業では、高速なメモリの方が有利になることがあります。また、マザーボードとCPUが対応している最大速度を確認し、その範囲内で選ぶことが重要です。
互換性の確認方法
メモリを購入する前に、必ず自分のパソコンとの互換性を確認しましょう。
まず、現在搭載されているメモリの規格(DDR4かDDR5か)、速度、容量を確認します。タスクマネージャーの「パフォーマンス」タブや、CPU-Zなどの無料ソフトを使うと、詳細な情報が分かります。次に、マザーボードの仕様を確認し、最大搭載可能容量やメモリスロットの数を把握します。メーカーの公式サイトや、マザーボードのマニュアルに記載されています。
ノートパソコンの場合は、メモリが増設できない機種もあるため、事前に確認が必要です。また、メモリスロットが1つしかない場合は、既存のメモリを取り外して、より大容量のメモリに交換することになります。
信頼できるメーカーを選ぶ
メモリは、信頼性の高いメーカーの製品を選ぶことが大切です。CORSAIR、Crucial、Kingston、G.Skillなどは、品質と信頼性で定評があります。価格が安すぎる無名メーカーの製品は、動作が不安定だったり、相性問題が発生したりするリスクがあるため、避けた方が無難です。
また、保証期間が長い製品を選ぶことも、安心につながります。多くのメーカーは、メモリに永久保証や長期保証を付けているため、万一の故障時にも対応してもらえます。
メモリ増設の実践手順と注意点
デスクトップPCへの増設手順
デスクトップPCへのメモリ増設は、比較的簡単な作業です。まず、パソコンの電源を切り、電源ケーブルを抜きます。静電気対策として、金属部分に触れて体の静電気を逃がしておきましょう。次に、ケースのサイドパネルを開け、マザーボード上のメモリスロットを確認します。
メモリスロットの両端にあるクリップを外側に開き、新しいメモリを差し込みます。メモリには切り欠きがあり、正しい向きでしか入らないようになっています。メモリをスロットに合わせて、まっすぐ押し込むと、両端のクリップが自動的にロックされます。カチッという音がすれば、正しく装着された証拠です。
すべてのメモリを装着したら、ケースを閉じて電源を入れます。BIOS画面やWindows上で、メモリが正しく認識されているか確認しましょう。
ノートPCへの増設手順
ノートPCの場合、機種によってメモリの増設方法が異なります。一部の機種では、底面のカバーを外すだけで簡単にアクセスできますが、分解が必要な機種もあります。また、メモリがマザーボードに直接はんだ付けされている機種では、増設自体ができません。
増設可能な機種であれば、まず電源を切り、バッテリーを取り外します(取り外せる場合)。底面のカバーを開け、メモリスロットにアクセスします。既存のメモリを取り外す場合は、両端の金属クリップを外側に開くと、メモリが斜めに持ち上がります。それを引き抜き、新しいメモリを斜めに差し込んでから、押し下げてロックします。
増設後の動作確認
メモリ増設後は、必ず動作確認を行いましょう。Windowsが正常に起動したら、タスクマネージャーで認識されているメモリ容量を確認します。また、Windows標準の「Windowsメモリ診断」ツールを使って、メモリに問題がないかチェックすることをおすすめします。
スタートメニューで「Windowsメモリ診断」と検索し、ツールを起動します。再起動後、自動的に診断が実行されます。エラーが検出されなければ、メモリは正常に動作しています。
トラブルシューティング
メモリ増設後にパソコンが起動しない場合は、まずメモリがしっかりと装着されているか確認しましょう。一度取り外して、再度装着し直すと解決することがあります。また、複数枚のメモリを装着する場合は、マザーボードのマニュアルで推奨されるスロットの組み合わせを確認してください。
それでも問題が解決しない場合は、メモリの相性問題や不良品の可能性があります。一枚ずつ装着して動作確認を行い、問題のあるメモリを特定しましょう。
メモリ増設以外のパフォーマンス改善策
SSDへの換装
メモリ増設と並んで効果的なのが、ストレージをHDDからSSDに換装することです。SSDは、HDDに比べて読み書き速度が圧倒的に速く、Windowsの起動時間やアプリケーションの立ち上がりが劇的に改善されます。特に、まだHDDを使用している方は、SSD化による体感速度の向上は非常に大きいでしょう。
最近では、SSDの価格も手頃になっており、500GBや1TBの容量でも1万円前後で購入できます。メモリ増設と合わせてSSD化を行えば、パソコンの快適さが飛躍的に向上します。
不要なスタートアッププログラムの無効化
Windowsの起動時に自動的に立ち上がるプログラムが多すぎると、起動が遅くなったり、メモリを無駄に消費したりします。タスクマネージャーの「スタートアップ」タブで、不要なプログラムを無効化することで、起動時間の短縮とメモリの節約ができます。
ただし、セキュリティソフトやドライバーなど、必要なプログラムまで無効化しないよう注意が必要です。
定期的なメンテナンス
パソコンを長く快適に使うには、定期的なメンテナンスも重要です。ディスククリーンアップで不要なファイルを削除したり、デフラグツールでファイルの断片化を解消したり(HDDの場合)、Windows Updateで最新の状態に保ったりすることで、パフォーマンスを維持できます。
また、ウイルスやマルウェアの感染もパフォーマンス低下の原因になるため、セキュリティソフトでの定期的なスキャンも忘れずに行いましょう。
まとめ〜メモリ増設で快適なWindows 11環境を
Windows 11を快適に使うためには、適切なメモリ容量が不可欠です。公式の最低要件である4GBでは、実用的な作業は困難です。一般的な用途であれば8GB、快適さを求めるなら16GB、プロフェッショナルな作業には32GB以上が推奨されます。メモリ増設は、パソコンのパフォーマンスを改善する最もコストパフォーマンスに優れた方法のひとつです。
メモリを選ぶ際は、規格(DDR4かDDR5か)、速度、互換性を確認し、信頼できるメーカーの製品を選びましょう。デュアルチャネル構成にすることで、さらなるパフォーマンス向上も期待できます。増設作業自体は比較的簡単ですが、静電気対策や正しい装着方法を守ることが大切です。
メモリ増設に加えて、SSDへの換装や不要なスタートアッププログラムの無効化など、総合的なパフォーマンス改善策を組み合わせることで、より快適なパソコン環境を実現できます。自分の使い方に合った適切な容量を選び、快適なWindows 11ライフを楽しんでください。
パソコンのパフォーマンス向上には、適切なソフトウェア環境も重要です。Windows 11やOfficeソフトを正規品で安心して導入したい方は、ぜひ以下をチェックしてみてください。
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