Office購入の選択肢を知っておこう
Officeソフトを購入しようと思ったとき、「永続版」と「サブスクリプション版」という2つの選択肢があることをご存知でしょうか? 選び方を間違えると、必要以上の出費や機能不足に悩まされることになりかねません。
私はソフトウェア販売に携わるITライターとして、多くの企業や個人のPC環境整備をサポートしてきました。その経験から言えるのは、自分の利用スタイルに合った選択をすることが何よりも重要だということです。特に中小企業では、コスト削減と機能性のバランスが経営を左右することも少なくありません。
この記事では、Office製品の「永続版」と「サブスク版」それぞれの特徴や価格、メリット・デメリットを徹底比較し、あなたに最適な選択肢を見つける手助けをします。2025年8月現在の最新情報をもとに、賢い選択をするためのポイントをわかりやすく解説していきましょう。
永続版とサブスク版の基本的な違い
まずは、Office製品の2つの提供形態について基本的な違いを理解しておきましょう。名前からなんとなく想像はつくかもしれませんが、実際にはどのような違いがあるのでしょうか?
永続版Office(買い切り型)は、一度購入すれば期限なく使い続けられるライセンス形態です。家電量販店などで販売されているパッケージ版のOfficeや、法人向けのOffice LTSCなどがこれに該当します。2025年8月現在の最新バージョンは「Office 2024」となっています。
一方、サブスク版Office(Microsoft 365)は、月額または年額の料金を支払って利用するモデルです。常に最新バージョンが利用できる上、OneDriveのストレージ容量やTeamsなどの追加サービスも含まれています。
ライセンス期間と更新の仕組み
永続版Officeを購入すると、そのバージョンを無期限で使用できます。ただし、サポート期間は限られており、Office 2024の場合は2029年10月頃までのサポートが予測されています。サポート終了後も使用は可能ですが、セキュリティ更新などは提供されなくなります。
サブスク版は契約期間中のみ利用可能で、契約を更新しない場合はアプリケーションが使えなくなります。しかし、常に最新機能やセキュリティ更新が適用されるメリットがあります。
インストール可能台数の違い
永続版Officeは通常、1つのライセンスで2台のPCにインストール可能です。これはWindows PCでもMacでも同様です。ただし、同時に使用できるのは1台のみという制限があります。
サブスク版のMicrosoft 365は、個人向けプランでも最大5台のPCやMac、さらに5台のタブレットや5台のスマートフォンにインストールして利用できます。家族で共有する場合はMicrosoft 365 Familyを選べば、最大6人までが各自5台ずつ、合計30台のデバイスで利用できる柔軟性があります。
あなたは複数のデバイスでOfficeを使いたいですか?それとも1台のPCだけで十分ですか?この違いは選択の重要なポイントになります。
価格比較:長期的なコスト計算
Office製品を選ぶ際に最も気になるのは価格ではないでしょうか。一見すると永続版の方が高く感じるかもしれませんが、長期的に見るとどうなのでしょうか?
永続版Officeの価格
永続版Officeの価格は、含まれるアプリケーションによって異なります。2025年8月現在の主な製品価格は以下の通りです:
- Office Home 2024(Word、Excel、PowerPoint、OneNote):¥31,343(税込)
- Office Home & Business 2024(Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNote):¥39,982(税込)
これらは一度の支払いで、そのバージョンを無期限で使用できます。ただし、新しいバージョンが出た場合は別途購入する必要があります。
サブスク版(Microsoft 365)の価格
Microsoft 365の個人・家庭向けプランの価格は以下の通りです:
- Microsoft 365 Personal(1ユーザー):¥1,284/月 または ¥12,984/年(税込)
- Microsoft 365 Family(最大6ユーザー):¥1,784/月 または ¥18,144/年(税込)
サブスク版には、Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどの主要アプリケーションに加えて、1TBのOneDriveストレージ、常に最新機能へのアクセス、複数デバイスでの利用などの特典が含まれています。
長期利用時のコスト比較
永続版とサブスク版のコストを比較する場合、利用期間が重要なポイントになります。例えば、Office Home & Business 2024(¥39,982)と Microsoft 365 Personal(年間¥12,984)を比較すると、約3年間利用した時点でコストが逆転します。
つまり、3年以上同じバージョンのOfficeを使い続ける予定なら永続版の方がお得になる可能性が高いのです。一方、常に最新機能を使いたい場合や、複数デバイスでの利用が必要な場合は、サブスク版の方が魅力的かもしれません。
あなたはどのくらいの期間Officeを使う予定ですか?新機能への更新は重要ですか?これらの質問に答えることで、最適な選択が見えてくるでしょう。
機能面での違い:何が使えて何が使えないのか
価格だけでなく、実際に使える機能にも大きな違いがあります。自分の仕事や生活スタイルに合った機能が含まれているかどうかをチェックしましょう。
基本アプリケーションの比較
永続版とサブスク版では、基本的なOfficeアプリケーション(Word、Excel、PowerPoint、Outlook)の主要機能はほぼ同じです。文書作成や表計算、プレゼンテーション作成といった基本的な作業であれば、どちらを選んでも大きな違いはありません。
ただし、サブスク版では常に最新機能が追加されていくのに対し、永続版は購入時の機能のままで、大きなアップデートは提供されません。
クラウドサービスと追加機能
サブスク版の大きな特徴は、豊富なクラウドサービスと追加機能です。Microsoft 365には以下のような特典が含まれています:
- 1TBのOneDriveストレージ(永続版では無料版の5GBのみ)
- Microsoft Teams(ビデオ会議やチャット機能)
- リアルタイム共同編集機能
- AI機能(Editor、Designer、Presenters Coachなど)
- モバイルアプリでの高度な編集機能
これらの機能は、チームでの共同作業や、複数デバイスでのシームレスな作業環境を求める方にとって大きなメリットとなります。特に、クラウドストレージの容量は大きな違いで、大量のファイルを扱う方にはサブスク版が便利です。
最新AI機能へのアクセス
2025年現在、Microsoftは「Microsoft 365 Copilot」というAI機能を提供しています。これはOfficeアプリ内でAIを活用して文書作成や分析をサポートする機能ですが、永続版では利用できず、サブスク版のユーザーのみが追加料金で利用できます。
今後もAI関連の新機能は主にサブスク版に追加されていく傾向があり、最新テクノロジーを活用したい方にはサブスク版が適しています。
あなたの仕事や趣味でクラウド連携やAI機能は必要ですか?それとも基本的な文書作成機能だけで十分ですか?
ビジネス利用での選択ポイント
企業でOfficeを導入する場合は、個人利用とは異なる観点からの検討が必要です。特に中小企業では、コスト効率と運用管理のバランスが重要になります。
法人向けライセンスの種類
法人向けの永続版Officeとしては、「Office LTSC Standard 2024」や「Office LTSC Professional Plus 2024」などがあります。これらは一般向けの永続版と同様に、一度購入すれば継続的に使用できますが、企業環境に適した管理機能が追加されています。
サブスク版では、「Microsoft 365 Apps for business」「Microsoft 365 Business Standard」「Microsoft 365 Business Premium」などのプランが提供されています。ユーザー数やセキュリティ機能などによって月額料金が異なります。
導入・運用コストの違い
永続版は初期投資が大きいものの、長期的に使用する場合はコスト効率が良くなります。特に、従業員の入れ替わりが少ない安定した組織や、最新機能をあまり必要としない業種に適しています。
一方、サブスク版は初期投資を抑えられる反面、継続的なコストがかかります。しかし、ユーザー数の増減に柔軟に対応できるため、成長中の企業や季節によって従業員数が変動する業種に向いています。
セキュリティとコンプライアンス
企業にとってセキュリティは非常に重要な要素です。サブスク版のMicrosoft 365 Business PremiumやEnterpriseプランには、高度なセキュリティ機能やコンプライアンス機能が含まれています。
- 多要素認証
- デバイス管理機能
- データ損失防止(DLP)ポリシー
- 高度な脅威保護
これらの機能は、特に顧客データを扱う企業や、規制の厳しい業界で事業を展開している企業にとって大きなメリットとなります。永続版では、これらの高度なセキュリティ機能は別途導入する必要があります。
あなたの会社ではどのようなセキュリティレベルが求められていますか?従業員数の変動はありますか?これらの点を考慮して選択しましょう。
個人利用者向けの選択ガイド
個人でOfficeを利用する場合は、自分の使用頻度や目的に合わせて選ぶことが大切です。無駄な機能にお金を払わないようにしましょう。
利用頻度と用途による選択
Officeの利用頻度が低い場合や、基本的な文書作成のみが目的なら、永続版のOffice Home 2024が適しているかもしれません。一度購入すれば長期間使えるため、コスト効率が良いでしょう。
一方、毎日のようにOfficeを使用する方や、複数のデバイスで作業する方、常に最新機能を使いたい方には、Microsoft 365 Personalがおすすめです。特に、クラウドストレージを多用する方にとっては、1TBのOneDriveストレージは大きな魅力となります。
家族での共有を考える
家族でOfficeを共有したい場合は、Microsoft 365 Familyが最もコスト効率の良い選択肢です。年間¥18,144で最大6人まで利用でき、各ユーザーが個別のMicrosoftアカウントで独立したOneDriveストレージ(1TB)を持てます。
永続版の場合、家族で共有するには複数ライセンスの購入が必要になるため、家族利用ではサブスク版の方がお得になることが多いです。
学生・教職員向け特別プラン
学生や教職員の方は、教育機関のメールアドレスを利用することで、Microsoft 365 Educationを無料または大幅割引で利用できる場合があります。これには、Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Teamsなどの主要アプリケーションが含まれており、学業や研究に役立ちます。
教育機関に所属している方は、まずこのオプションを検討することをおすすめします。
購入方法と注意点
Office製品を購入する際には、いくつかの選択肢と注意点があります。信頼できる販売元から購入することで、トラブルを避けることができます。
正規品の入手方法
Office製品は以下の方法で購入できます:
- Microsoft公式サイト(オンラインコード版)
- 家電量販店(パッケージ版またはダウンロード版)
- 正規販売代理店(法人向け)
- PCメーカーのプリインストール版(新規PC購入時)
正規品を確実に入手するためには、これらの正規販売チャネルから購入することをおすすめします。特に、あまりにも安価なライセンスには注意が必要です。
ライセンス認証と管理
Office製品を購入したら、Microsoftアカウントでライセンス認証を行います。永続版の場合は、製品キーを入力してアクティベーションを完了させます。サブスク版は、Microsoftアカウントにサブスクリプションが紐づけられます。
ライセンス情報は大切に保管しておきましょう。PCの買い替えや再インストールの際に必要になります。特に永続版の場合は、製品キーの紛失に注意が必要です。
格安ライセンスの落とし穴
インターネット上では非常に安価なOfficeライセンスが販売されていることがありますが、これらには以下のようなリスクが潜んでいる可能性があります:
- 不正に取得されたライセンスキー
- 教育機関向けや開発者向けライセンスの不正転売
- 一時的にしか使えない評価版
- ライセンス認証後に無効化されるリスク
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まとめ:あなたに最適なOffice選びのポイント
Office製品の永続版とサブスク版、それぞれの特徴を詳しく見てきました。最後に、あなたの状況に合った選択をするためのポイントをまとめます。
永続版が向いているのは
- 長期間(3年以上)同じバージョンを使い続ける予定の方
- 基本的な機能のみを使用し、最新機能にこだわらない方
- 1〜2台のデバイスでのみ使用する方
- インターネット接続が不安定な環境で使用する方
- 継続的な支払いを避けたい方
サブスク版(Microsoft 365)が向いているのは
- 常に最新機能を使いたい方
- 複数のデバイス(PC、タブレット、スマートフォン)で利用したい方
- OneDriveの大容量ストレージ(1TB)が必要な方
- 家族でOfficeを共有したい方(Microsoft 365 Family)
- チームでの共同作業やクラウド連携が必要な方
- 高度なセキュリティ機能が必要な企業
最終的には、あなたの利用スタイル、必要な機能、予算に合わせて選択することが大切です。どちらの選択肢も、それぞれの利用シーンに合わせた魅力があります。
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