Office法人ライセンス比較!サブスクと買い切りどちらがお得か

Officeライセンスの2つの選択肢〜サブスクと買い切りの基本

企業でMicrosoft Officeを導入する際、多くの担当者が頭を悩ませるのが「サブスクリプション型」と「買い切り型」のどちらを選ぶべきかという問題です。どちらにもメリット・デメリットがあり、自社の状況に合った選択をすることが重要になります。

特に2025年9月現在、Windows 10やOffice 2019のサポート終了が2025年10月14日に迫っており、多くの企業が次のステップを検討しているタイミングでもあります。

サブスクリプション型と買い切り型のOfficeライセンスの比較表まずは、それぞれの基本的な特徴を理解しておきましょう。

サブスクリプション型(Microsoft 365)とは

サブスクリプション型は、月額または年額で利用料を支払い続ける形態です。Microsoft 365(旧Office 365)がこれにあたります。契約期間中は常に最新バージョンのOfficeアプリケーションが利用でき、クラウドサービスも含まれています。

サブスクリプション型の主な特徴としては、1ユーザーあたり複数のデバイス(PC5台、タブレット5台、スマートフォン5台の合計15デバイス)にインストールできる点や、常に最新機能が利用できる点が挙げられます。また、OneDriveなどのクラウドストレージやTeamsなどのコミュニケーションツールも含まれているプランが多いです。

ビジネスシーンでよく利用されるプランには「Microsoft 365 Business Basic」「Microsoft 365 Business Standard」「Microsoft 365 Business Premium」などがあります。

買い切り型(Office 2024など)とは

買い切り型は一度購入すれば永続的に利用できるライセンス形態です。Office 2021やOffice 2024などの永続ライセンス版がこれにあたります。初期投資は比較的高額ですが、その後の追加費用は基本的にありません。

買い切り型の主な特徴としては、1ライセンスにつき通常2台のPCにインストールできる点や、インターネット接続を必要としない点が挙げられます。ただし、機能更新は限定的で、セキュリティ更新のみ提供される場合が多いです。

法人向けには「Office LTSC」という特別なバージョンも提供されており、特に安定性を重視する環境向けに設計されています。

コスト面から見る比較〜長期的な視点で考える

Officeライセンスを選ぶ際、最も気になるのはコスト面ではないでしょうか。初期費用だけでなく、長期的な視点でのコスト比較が重要です。

サブスクリプション型は月額または年額の支払いが継続的に発生しますが、買い切り型は初期投資のみで継続的な支払いは基本的にありません。どちらがお得になるかは、利用期間や必要な機能によって変わってきます。

Office法人ライセンスの長期コスト比較グラフ初期費用と継続費用の比較

買い切り型のOffice Home & Business 2024は、2025年9月現在の市場価格で約39,582円(税込)となっています。一方、法人向けのOffice LTSC Standard 2024は70,000円〜110,000円程度です。これらは一度支払えば、基本的に追加費用は発生しません。

対するサブスクリプション型のMicrosoft 365 Business Standardは、ユーザーあたり月額1,360円程度(年間約16,320円)です。Microsoft 365 Business Premiumになると月額2,180円程度(年間約26,160円)となります。

単純計算すると、Office Home & Business 2024の場合、約2.5年でサブスクリプション型のMicrosoft 365 Business Standardの累計費用と同等になります。Office LTSCの場合は4〜7年程度でサブスクリプション型と同等になるでしょう。

5年間使用した場合のコスト比較

5年間使用した場合のコスト比較をしてみましょう。

買い切り型のOffice Home & Business 2024:約39,582円(初期費用のみ)

サブスクリプション型のMicrosoft 365 Business Standard:約81,600円(16,320円×5年)

単純な金額比較では買い切り型の方が安く見えますが、含まれる機能やサービスの違いを考慮する必要があります。サブスクリプション型には、クラウドストレージやTeamsなどの追加サービスが含まれていることが多いため、それらのサービスが必要な場合は別途購入するコストも考慮すべきです。

また、買い切り型は5年後にはサポートが終了する可能性があり、その時点で再度購入する必要が出てくることも考慮しておきましょう。

機能面から見る比較〜何が必要かを明確に

コストだけでなく、実際に利用できる機能やサービスの違いも重要なポイントです。自社が本当に必要としている機能は何かを明確にした上で選択することが大切です。

Office法人ライセンスの機能比較基本アプリケーションの比較

買い切り型とサブスクリプション型のどちらでも、Word、Excel、PowerPointなどの基本的なOfficeアプリケーションは利用できます。ただし、買い切り型では購入時のバージョンが固定され、大きな機能更新はありません。

一方、サブスクリプション型では常に最新バージョンが利用でき、新機能も随時追加されます。例えば、AIを活用した機能などは、サブスクリプション型のユーザーが先行して利用できることが多いです。

また、買い切り型のOffice LTSCは、一般向けのOffice 2024と比較して、機能が若干制限されている場合があります。特に、AIを活用した最新機能やクラウド連携機能が制限されていることがあるため、必要な機能が含まれているか確認が必要です。

クラウドサービスとの連携

サブスクリプション型のMicrosoft 365の大きな特徴は、OneDriveやSharePoint、Teamsなどのクラウドサービスが含まれている点です。これらのサービスを活用することで、チームでの共同作業やリモートワークがスムーズに行えます。

買い切り型のOfficeでも基本的なクラウド連携は可能ですが、サブスクリプション型ほど緊密に連携しておらず、別途サービスを契約する必要がある場合もあります。

特に、テレワークやハイブリッドワークが定着した現在では、クラウドサービスとの連携がスムーズに行えるかどうかは重要なポイントになるでしょう。

最新機能へのアクセス

サブスクリプション型では、常に最新の機能が利用できます。例えば、Microsoft 365では「Microsoft 365 Copilot」(旧Copilot for Microsoft 365)といった生成AI機能が順次追加されています。

買い切り型では、セキュリティ更新は提供されますが、新機能の追加は基本的にありません。Office LTSCに至っては、安定性を重視するため、意図的に機能更新が制限されています。

最新機能を積極的に活用したい企業には、サブスクリプション型が向いているでしょう。一方、業務で使用する機能が限定的で変更を好まない環境では、買い切り型も十分検討の余地があります。

運用管理面から見る比較〜導入後の負担も考慮

ライセンス選びでは、導入後の運用管理の負担も重要な検討ポイントです。特に複数のユーザーやデバイスを管理する企業では、管理のしやすさが業務効率に直結します。

Office法人ライセンス管理画面のイメージライセンス管理の容易さ

サブスクリプション型のMicrosoft 365では、管理者ポータルから一元的にライセンスを管理できます。ユーザーの追加・削除やライセンスの割り当て変更なども、管理画面から簡単に行えるため、人事異動や組織変更にも柔軟に対応できます。

一方、買い切り型のOfficeでは、基本的に端末ごとにライセンスを管理する必要があります。ユーザーが変わる度に再インストールや設定変更が必要になることもあり、管理の手間がかかる場合があります。

特に多くのユーザーを抱える企業では、この管理のしやすさの違いが大きな負担の差になることがあります。

アップデートとセキュリティ管理

サブスクリプション型では、セキュリティ更新や機能更新が自動的に適用されるため、常に最新の状態を維持できます。また、管理者が更新のタイミングをコントロールすることも可能です。

買い切り型では、セキュリティ更新は提供されますが、適用の管理は各端末で行う必要があることが多いです。また、サポート期間が終了すると、セキュリティ更新も提供されなくなるため、セキュリティリスクが高まる可能性があります。

セキュリティを重視する企業では、更新管理の容易さと継続的なサポートが得られるサブスクリプション型が有利かもしれません。

デバイス間の連携と移行

サブスクリプション型のMicrosoft 365では、1ユーザーが複数のデバイスでOfficeを利用できるため、オフィスのPC、自宅のPC、タブレット、スマートフォンなど、様々な環境で一貫した作業が可能です。

買い切り型では、通常2台までのインストールに制限されており、デバイスを頻繁に変更する場合は再インストールの手間がかかります。

特にテレワークやBYOD(私用デバイスの業務利用)を導入している企業では、この違いが業務の柔軟性に影響する可能性があります。

業種・環境別の最適な選択〜自社に合ったライセンスとは

すべての企業に最適な選択肢は一つではありません。業種や環境によって、サブスクリプション型と買い切り型のどちらが適しているかは変わってきます。ここでは、業種や環境別の最適な選択について考えてみましょう。

異なる業種のオフィス環境サブスクリプション型が適している環境

サブスクリプション型のMicrosoft 365は、以下のような環境に特に適しています。

まず、頻繁に情報共有や共同作業を行う企業です。Teams、SharePoint、OneDriveなどのクラウドサービスを活用することで、チームでの協業がスムーズになります。特にリモートワークやハイブリッドワークを導入している企業では、これらのツールが大きな価値を発揮します。

次に、最新機能を積極的に活用したい企業です。常に最新バージョンが利用できるため、新しい機能や改善されたセキュリティ機能をすぐに取り入れることができます。特にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進している企業では、最新技術の活用が競争力につながります。

また、成長中の企業やスタートアップにもサブスクリプション型が適しています。初期投資を抑えながら必要なツールを導入でき、事業の成長に合わせて柔軟にユーザー数を調整できるからです。

買い切り型が適している環境

一方、買い切り型のOfficeは、以下のような環境に適しています。

まず、安定性を重視する環境です。特にOffice LTSCは、製造業の生産管理システムや医療機関の電子カルテシステムなど、突然のインターフェース変更が業務に影響を与える可能性がある環境向けに設計されています。

次に、インターネット接続が制限されている環境です。セキュリティ上の理由からインターネット接続を制限している医療機関や製造業の一部施設、公共機関などでは、オフライン環境で利用できる買い切り型が適しています。

また、長期間同じシステムを使い続ける予定の企業にも、買い切り型が経済的に有利な場合があります。特に、利用する機能が限定的で、頻繁な更新が不要な場合は、買い切り型の方がコスト面で優位になることがあります。

中小企業におけるライセンス選択のポイント

中小企業では、コスト面と機能面のバランスが特に重要です。限られた予算の中で最大の効果を得るためには、以下のポイントを考慮するとよいでしょう。

まず、実際に必要な機能を明確にすることです。Microsoft 365には様々なプランがありますが、すべての機能が必要とは限りません。例えば、基本的なOfficeアプリケーションだけが必要なら、Microsoft 365 Apps for businessや買い切り型のOffice Home & Businessでも十分かもしれません。

次に、将来の成長や変化を見据えることです。事業拡大や働き方の変化を予定している場合は、柔軟に対応できるサブスクリプション型が有利かもしれません。一方、安定した事業を継続する予定なら、買い切り型も検討の余地があります。

また、社内のIT管理リソースも考慮すべきポイントです。IT専任者がいない中小企業では、管理の手間が少ないサブスクリプション型が運用面で有利になることがあります。

導入事例から学ぶ最適な選択〜実際のビジネスシーンから

実際のビジネスシーンでは、どのようにOfficeライセンスを選択しているのでしょうか。いくつかの導入事例から、最適な選択のヒントを探ってみましょう。

オフィスでのミーティング風景クラウド活用型企業の事例

あるIT企業では、複数拠点でのプロジェクト協業が日常的に行われていました。以前は買い切り型のOfficeを使用していましたが、リモートワークの導入に伴い、Microsoft 365 Business Premiumに移行しました。

この移行により、Teamsを活用したオンラインミーティングやSharePointでのドキュメント共有が可能になり、拠点間の連携がスムーズになりました。また、セキュリティ機能も強化され、リモートワーク環境でも安全に業務が行えるようになりました。

初年度はコストが増加しましたが、オフィススペースの削減や出張費の削減などの副次的な効果も含めると、総合的にはコスト削減につながったと評価しています。

安定性重視型企業の事例

ある製造業では、生産管理システムとの連携にExcelを活用しています。システムの安定性が最優先事項であるため、Office LTSCを選択しました。

インターフェースや機能が突然変更されることがないため、作業者のトレーニングコストを抑えられ、生産効率を維持できています。また、一部の工場ではセキュリティ上の理由からインターネット接続を制限しているため、オフライン環境でも問題なく利用できる点も決め手となりました。

5年間の使用を前提とした場合、サブスクリプション型よりもコスト面で有利になると試算し、買い切り型を選択しました。

ハイブリッド導入の事例

ある中堅企業では、部門ごとに異なるニーズに対応するため、ハイブリッド導入を選択しました。営業部門や企画部門など、外出先でも作業する必要がある部門にはMicrosoft 365 Business Standardを導入し、経理部門など社内での定型業務が中心の部門には買い切り型のOffice Home & Businessを導入しました。

この選択により、必要な部門には最新機能とモビリティを提供しつつ、全体のコストを抑制することに成功しています。管理面では若干の手間は増えましたが、各部門のニーズに最適な環境を提供できるメリットの方が大きいと評価しています。

このように、すべての部門に同じライセンスを導入するのではなく、業務内容や働き方に合わせて最適なライセンスを選択する「ハイブリッド導入」も一つの選択肢です。

まとめ〜自社に最適なOfficeライセンスの選び方

ここまで、Office法人ライセンスのサブスクリプション型と買い切り型について、様々な観点から比較してきました。最後に、自社に最適なライセンスを選ぶためのポイントをまとめてみましょう。

選択の決め手となるポイント

まず、コスト面では、短期的には買い切り型が有利ですが、長期的な視点やクラウドサービスの必要性を考慮すると、サブスクリプション型が総合的にお得になるケースもあります。単純な金額比較だけでなく、含まれるサービスの価値も考慮しましょう。

機能面では、最新機能の必要性やクラウドサービスの活用度を考慮します。常に最新機能を利用したい、またはTeamsやOneDriveなどのクラウドサービスを活用したい場合は、サブスクリプション型が適しています。

運用管理面では、ユーザー数や管理リソースを考慮します。多くのユーザーを管理する必要がある場合や、IT専任者が限られている場合は、管理の容易さからサブスクリプション型が有利です。

また、業種や環境に応じた選択も重要です。安定性が最優先の環境やオフライン環境では買い切り型が、協業やモビリティが重要な環境ではサブスクリプション型が適しています。

最適な選択のための検討ステップ

自社に最適なOfficeライセンスを選ぶためには、以下のステップで検討するとよいでしょう。

まず、自社の業務内容や働き方を分析し、本当に必要な機能やサービスを明確にします。すべての機能が必要とは限らないため、実際の利用シーンを想定することが大切です。

次に、短期的・長期的なコスト比較を行います。初期費用だけでなく、5年程度の長期的な視点でのコスト比較が重要です。また、管理コストや教育コストなども考慮しましょう。

そして、将来の変化も見据えた選択をします。事業拡大や働き方の変化を予定している場合は、柔軟に対応できるライセンス形態を選ぶことが重要です。

最後に、必要に応じて専門家のアドバイスを求めることも検討しましょう。特に複雑なライセンス体系や大規模な導入を検討している場合は、専門家のサポートが役立つことがあります。

自社の状況を総合的に判断し、最適なOfficeライセンスを選択することで、業務効率の向上とコスト最適化の両立が可能になります。

特に2025年10月のWindows 10・Office 2019のサポート終了を控えた今、次のステップを検討するには絶好のタイミングです。自社の状況を見極め、最適なOfficeライセンスを選択しましょう。

法人向けのOffice製品導入をご検討の方は、正規品保証付きの永続ライセンスを提供するPCユービックのサービスもぜひご検討ください。特に買い切り型のOfficeをお求めの方には、コストパフォーマンスに優れた選択肢となるでしょう。

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