法人必見!Office 2024 LTSCの価格とライセンス選定術

法人向けOffice 2024 LTSCとは?最新永続ライセンスの全容

法人のIT担当者であれば、常に頭を悩ませるのがOfficeライセンスの選定です。特に2024年9月16日に発売された「Office 2024 LTSC」は、多くの企業が注目する最新の永続ライセンスとなっています。

Office 2024 LTSC(Long-Term Servicing Channel)とは、企業や法人向けに買い切りで購入できる永久ライセンス統合型オフィスソフトウェアです。クラウドサービスに依存せず、オフライン環境でも安定して利用できる特徴があります。

従来のOpenビジネスライセンスが2021年12月末で販売終了となり、その後継として「CSPライセンス」形式で提供されるようになりました。このCSP(Cloud Solution Provider)とは、販売代理店を通して契約でき、請求書払いにも対応した法人向けライセンスプログラムのことです。

Office 2024 LTSCパッケージイメージ「サブスクリプション型のMicrosoft 365にするか、買い切り型のOffice 2024 LTSCにするか・・・」

多くの企業がこの選択に迷っているのではないでしょうか。今回は、Office 2024 LTSCの特徴や価格体系、ライセンス選定のポイントについて、IT環境構築の専門家としての視点からわかりやすく解説します。クラウドサービスが主流となる中でも、依然として根強い需要がある買い切り型Officeの最新情報をお届けします。

Office 2024 LTSCの基本情報と主な特徴

Office 2024 LTSCは、1ライセンスから購入することができ、「Microsoft管理センター」でライセンスの管理やダウングレードファイルのダウンロードなどを行うことができます。

最大の特徴は、一度購入すれば永続的に利用できる「買い切り型」であることです。サブスクリプション型のMicrosoft 365とは異なり、月額や年額の継続的な支払いが不要です。

Office 2024 LTSCの管理画面Office 2024 LTSCには、以下のような特徴があります。

  • 永続ライセンス:一度購入すれば、期限なく使用可能
  • ダウングレード権:Office 2021 LTSCやOffice 2019 LTSCへのダウングレードが可能
  • オフライン利用:インターネット接続が不安定な環境でも安定して使用可能
  • 5年間のサポート:セキュリティ更新プログラムなどのサポートが5年間提供
  • CSPライセンス形式:1ライセンスから購入可能で管理が容易

Office 2024 LTSCは、クラウドベースの機能を必要としない企業や、セキュリティ上の理由からオンライン接続を制限している組織、あるいは安定したオフィス環境を長期間維持したい企業に適しています。

特に注目すべき点として、Office 2024 LTSCはMicrosoft 365 Appsとは異なり、クラウドベースの機能は含まれていません。また、リリース後の機能更新プログラムも受信されません。現在Microsoft 365 Apps for enterpriseやMicrosoft 365 Apps for businessを導入している場合は、Office LTSC 2024への移行は必ずしも必要ないかもしれません。

Office 2024 LTSC製品ラインナップと価格体系

Office 2024 LTSCには、複数の製品ラインナップが用意されています。Windows向けとMac向けで異なるパッケージが提供されているため、環境に合わせた選択が必要です。

Windows向け製品ラインナップ

Windows向けには主に以下の2つのパッケージが提供されています。

  • Office LTSC Professional Plus 2024:Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNote、Accessなどを含む最上位パッケージ
  • Office LTSC Standard 2024:Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteを含むスタンダードパッケージ(Accessは含まれない)

これらに加えて、Project ProfessionalやVisio LTSCなどの専門アプリケーションも別途購入可能です。

Office 2024 LTSC製品ラインナップ比較表Mac向け製品ラインナップ

Mac環境では以下のパッケージが提供されています。

  • Office LTSC Standard 2024 for Mac:Word、Excel、PowerPoint、Outlook、OneNoteを含むMac向けパッケージ

価格体系

Office 2024 LTSCの価格は、販売代理店によって若干異なりますが、一般的な参考価格は以下の通りです。

  • Office LTSC Professional Plus 2024:約100,000円~150,000円
  • Office LTSC Standard 2024:約70,000円~110,000円
  • Office LTSC Standard 2024 for Mac:約70,000円~110,000円

これらの価格は、1ライセンスあたりの参考価格であり、実際の購入価格は販売代理店との交渉や購入数量によって変動します。また、ライセンス型番も重要な情報です。

  • Office LTSC Professional Plus 2024:型番 DG7GMGF0PN5F
  • Office LTSC Standard 2024:型番 DG7GMGF0PN5D
  • Office LTSC Standard 2024 for Mac:型番 DG7GMGF0PN5C

単体アプリケーションとしてExcelやWordなども法人向けに販売されていますが、統合パッケージを購入するほうがコスト効率が良い場合が多いでしょう。

サブスクリプション型と買い切り型の比較

Office製品を導入する際の大きな選択肢として、サブスクリプション型(Microsoft 365)と買い切り型(Office 2024 LTSC)があります。どちらを選ぶべきか、それぞれの特徴を比較してみましょう。

サブスクリプション型と買い切り型Officeの比較イメージサブスクリプション型(Microsoft 365)の特徴

Microsoft 365は月額または年額料金を支払って利用する形態です。主な特徴は以下の通りです。

  • 常に最新バージョン:自動的に最新機能が追加され、常に最新版を利用できる
  • 複数デバイス対応:PC、タブレット、スマートフォンなど、最大5台までインストール可能
  • クラウドサービス連携:OneDriveやTeamsなどのクラウドサービスが含まれる
  • 柔軟なライセンス管理:ユーザー数の増減に応じて契約数を調整可能
  • 予算の平準化:初期投資を抑え、運用コストとして計上できる

買い切り型(Office 2024 LTSC)の特徴

Office 2024 LTSCは一度購入すれば永続的に利用できる形態です。主な特徴は以下の通りです。

  • 初期投資型:一度の支払いで永続的に利用可能
  • バージョン固定:機能が固定されるため、操作方法が変わらず安定して利用できる
  • オフライン対応:インターネット接続がなくても全機能を利用可能
  • 長期利用に適している:5年以上の長期利用を前提とする場合はコスト効率が良い
  • セキュリティ更新のみ:機能追加はないが、セキュリティ更新は5年間提供される

コスト比較

コスト面での比較も重要なポイントです。例えば、50ユーザーの中規模企業で5年間利用した場合の比較を考えてみましょう。

Microsoft 365 Business Standardを利用した場合(年額約18,000円/ユーザー):

  • 50ユーザー × 18,000円 × 5年 = 4,500,000円

Office LTSC Standard 2024を購入した場合(約80,000円/ライセンス):

  • 50ライセンス × 80,000円 = 4,000,000円

単純計算では買い切り型のほうがやや安くなりますが、Microsoft 365にはTeamsやOneDriveなどの追加サービスが含まれていることを考慮する必要があります。また、5年後にOfficeを更新する場合、買い切り型では再度全額の投資が必要になります。

「どちらがお得か?」

これは一概には言えません。企業の規模、利用環境、予算の考え方、必要な機能によって最適な選択は変わってきます。

Office 2024 LTSCのシステム要件と互換性

Office 2024 LTSCを導入する前に、システム要件を確認しておくことが重要です。特に社内の既存PCが対応しているかどうかを事前に確認しておきましょう。

対応オペレーティングシステム

Office 2024 LTSCは、以下のオペレーティングシステムでサポートされています。

  • Windows 11
  • Windows 10
  • Windows 10 LTSC 2021
  • Windows 10 LTSC 2019
  • Windows Server 2022

なお、Armベースのデバイスの場合、Windows 11がサポートされている最小バージョンとなります。

Office 2024 LTSCが動作する様々なデバイスハードウェア要件

Office 2024 LTSCを実行するには、以下のハードウェア要件を満たす必要があります。

  • プロセッサ:1.1 GHz以上、2コア以上
  • メモリ:4 GB RAM以上
  • ストレージ:4 GB以上の空き容量
  • ディスプレイ:1280 x 768以上の解像度

4K以上の高解像度ディスプレイを使用する場合は、64ビットバージョンのOfficeが必要です。

Mac環境での要件

Mac環境でOffice LTSC Standard for Mac 2024を利用する場合は、macOSの最新バージョンまたはその前の2つのバージョンがサポート対象となります。具体的なハードウェア要件はmacOSの要件に準じます。

互換性と注意点

Office 2024 LTSCは、以前のバージョンのOfficeで作成されたファイルとの互換性を維持しています。ただし、Microsoft 365でのみ利用可能な最新機能を使用したファイルを開く場合、一部の機能が制限される可能性があります。

また、Office 2024 LTSCはクラウドベースの機能を含まないため、OneDriveとの連携やリアルタイム共同編集などの機能は制限されます。これらの機能が業務上重要である場合は、Microsoft 365の選択を検討すべきでしょう。

法人向けライセンス管理のポイント

Office 2024 LTSCを法人で導入する際には、効率的なライセンス管理が重要です。特にCSPライセンスの形態になったことで、管理方法にも変化があります。

Microsoft管理センターでのライセンス管理

Office 2024 LTSCのライセンスは、Microsoft管理センター(https://admin.microsoft.com/)で一元管理することができます。ここでは以下のような操作が可能です。

  • ライセンスの割り当てと解除
  • ダウングレードバージョンのダウンロード
  • インストールファイルの取得
  • ライセンス使用状況の確認

法人向けOfficeライセンス管理のイメージボリュームライセンス認証の方法

Office 2024 LTSCのボリュームライセンス認証には、主に3つの方法があります。

  • キー管理サービス(KMS):ネットワーク上のKMSホストコンピューターに接続することで、Officeを認証する方法
  • 複数アクティブ化キー(MAK):Microsoftがホストするライセンス認証サーバーまたは電話によってオンラインで認証する方法
  • Active Directoryベース:ドメインに参加しているコンピューター上のOfficeをActive Directoryを通じて認証する方法

企業の規模やネットワーク環境、セキュリティ要件に応じて、最適な認証方法を選択することが重要です。例えば、インターネットに接続できない環境ではKMSやActive Directoryベースの認証が適しています。

ダウングレード権の活用

Office 2024 LTSCには、ダウングレード権が付与されています。2025年9月現在、Microsoft管理センターでは以下のバージョンを選択してダウンロードすることができます。

  • Office 2024 LTSC
  • Office 2021 LTSC
  • Office 2019 LTSC

これにより、社内の既存環境との互換性を考慮したバージョン選択が可能になります。例えば、一部の業務システムがOffice 2019との連携を前提としている場合、Office 2024 LTSCのライセンスを購入しつつ、実際にはOffice 2019 LTSCをインストールして利用することができます。

「ダウングレード権を活用すれば、将来のアップグレードに備えながら、現在の環境との互換性も確保できるのでは?」

まさにその通りです。計画的な移行を考える企業にとって、ダウングレード権は非常に有用な選択肢となります。

Office 2024 LTSCのサポート期間と更新計画

Office 2024 LTSCを導入する際には、サポート期間を理解し、将来の更新計画を立てておくことが重要です。

サポート期間

Office 2024 LTSC(Project、Visioを含む)は、5年間のメインストリームサポートを受けることができます。この期間中は、セキュリティ更新プログラムやバグ修正などが提供されます。

重要なのは、この期間を過ぎると、これらの製品の延長サポートはないという点です。つまり、5年後にはセキュリティ更新プログラムも提供されなくなります。

Officeのサポート期間とライフサイクル参考までに、Office 2016およびOffice 2019は2025年10月14日にサポートが終了します。この日付以降、Microsoftはこれらのバージョンのセキュリティパッチ、バグ修正プログラム、またはテクニカルサポートを提供しなくなります。

更新計画の立て方

Office 2024 LTSCを導入する企業は、5年後の更新に向けた計画を立てておくことが望ましいでしょう。以下のような点を考慮することをお勧めします。

  • 予算計画:5年後の更新費用を見据えた予算計画を立てる
  • 段階的更新:部署ごとに段階的に更新することで、一度の投資負担を分散させる
  • 環境変化の予測:5年後のIT環境やビジネス要件の変化を予測し、最適な選択肢を検討する
  • ハイブリッド戦略:一部の部署や役割にはMicrosoft 365を導入し、他の部署にはOffice LTSCを導入するなど、ハイブリッドな戦略も検討する

特に重要なのは、サポート終了の2年前くらいから更新計画を具体化し始めることです。その時点での最新のOffice製品やライセンス形態を調査し、移行のための準備期間を確保しましょう。

法人向けOffice 2024 LTSC導入のベストプラクティス

Office 2024 LTSCを法人環境に導入する際には、いくつかのベストプラクティスを押さえておくことで、スムーズな導入と運用が可能になります。

導入前の準備と検討事項

導入前には以下のような準備と検討を行いましょう。

  • 現状分析:現在使用しているOfficeのバージョンと利用状況を把握する
  • 互換性確認:業務で使用している社内システムやマクロとの互換性を確認する
  • パイロット導入:一部の部署や端末で先行導入し、問題点を洗い出す
  • トレーニング計画:新しいバージョンへの移行に伴うユーザートレーニングの計画を立てる
  • ライセンス数の最適化:実際に必要なライセンス数を精査し、過剰購入を避ける

法人向けOffice導入の計画会議効率的な展開方法

Office 2024 LTSCを効率的に展開するためには、以下のような方法が有効です。

  • XMLカスタマイズ:Office展開ツール(ODT)とXML構成ファイルを使用して、インストール設定をカスタマイズする
  • グループポリシー設定:グループポリシーを使用して、組織全体のOffice設定を一元管理する
  • 自動展開ツール:Microsoft Endpoint Configuration Manager(旧SCCM)などの管理ツールを活用して自動展開する
  • 段階的展開:部署ごとに段階的に展開し、サポート負荷を分散させる

特にXMLカスタマイズを活用することで、不要なアプリケーションの除外や、特定の設定の事前構成など、組織のニーズに合わせたカスタマイズが可能になります。

コスト最適化のポイント

Office 2024 LTSCの導入コストを最適化するためのポイントをいくつか紹介します。

  • ライセンス数の精査:実際に必要なライセンス数を正確に把握し、過剰購入を避ける
  • 役割別の選定:全ユーザーに同じパッケージを導入するのではなく、役割や業務内容に応じて必要な機能を持つパッケージを選定する
  • ハイブリッド戦略:クラウド機能が必要なユーザーにはMicrosoft 365を、基本機能のみ必要なユーザーにはOffice LTSCを導入するなど、ハイブリッドな戦略を検討する
  • ボリュームディスカウント:まとまった数量を購入することで、単価の割引を交渉する
  • 販売代理店の比較:複数の販売代理店から見積もりを取得し、最適な条件を選択する

「同じ会社内でも、部署によって最適なOffice製品は異なるのでは?」

その通りです。例えば、外出先でも仕事をする営業部門にはモバイル対応のMicrosoft 365が適している一方、社内のデスクワークが中心の経理部門にはOffice LTSCが適しているかもしれません。部署や役割ごとに最適な選択をすることで、全体のコストを最適化できます。

まとめ:法人に最適なOffice選定のポイント

Office 2024 LTSCは、法人向けの買い切り型永続ライセンスとして、特定の環境や用途に適した選択肢です。本記事で解説した内容をまとめると、以下のようになります。

  • Office 2024 LTSCは、2024年9月16日に発売された法人向け買い切り型のOffice製品
  • CSPライセンス形式で提供され、1ライセンスから購入可能
  • 主な製品ラインナップはOffice LTSC Professional Plus 2024とOffice LTSC Standard 2024
  • 価格は製品によって異なり、約7万円~15万円程度
  • サポート期間は5年間で、延長サポートはない
  • Microsoft 365と比較して、初期投資型・バージョン固定・オフライン対応が特徴
  • 効率的な導入のためには、事前の準備と計画が重要

Office 2024 LTSCが適している企業は以下のような特徴を持ちます。

  • 安定した環境を長期間維持したい企業
  • インターネット接続が制限されている環境で利用する企業
  • クラウドサービスよりもセキュリティやコンプライアンスを重視する企業
  • 初期投資型の予算計画を好む企業
  • 機能の変更が少ない安定したソフトウェアを求める企業

一方で、以下のような企業にはMicrosoft 365が適しているかもしれません。

  • 常に最新機能を利用したい企業
  • Teams、OneDriveなどのクラウドサービスを活用したい企業
  • モバイルでの利用が多い企業
  • 初期投資を抑え、運用コストとして平準化したい企業
  • ユーザー数の増減が頻繁にある企業

最終的には、自社の業務内容、IT環境、予算計画、セキュリティ要件などを総合的に判断し、最適なOffice製品を選定することが重要です。場合によっては、Microsoft 365とOffice LTSCを併用するハイブリッド戦略も有効な選択肢となるでしょう。

法人向けOfficeライセンスの選定は、単なるコスト比較だけでなく、業務効率や将来性も含めた総合的な判断が求められます。本記事が皆様のOfficeライセンス選定の一助となれば幸いです。

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