Office法人ライセンスの基本と種類を理解しよう
法人でOfficeを導入する際、「買い切り型」と「サブスク型」のどちらが自社に適しているのか悩むことがありますよね。
Officeライセンスには大きく分けて2種類あります。一度購入すれば永続的に使用できる「買い切り型(永続ライセンス)」と、月額または年額で利用料を支払い続ける「サブスクリプション型」です。どちらも基本的なWordやExcelなどのアプリケーションが使えますが、含まれる機能やサービス、価格体系には大きな違いがあります。
私はソフトウェア販売に携わるITライターとして、多くの企業のOffice導入をサポートしてきました。この記事では、2025年9月時点の最新情報をもとに、法人向けOfficeライセンスの選び方を徹底解説します。
買い切り型(永続ライセンス)とサブスク型の違い
まずは、買い切り型とサブスク型の基本的な違いを見ていきましょう。
買い切り型(永続ライセンス)は、一度購入すれば期限なく使い続けられるタイプです。2024年10月に発売された最新版「Office 2024」がこれにあたります。法人向けには「Office LTSC Professional Plus 2024」や「Office LTSC Standard 2024」などが提供されています。
一方、サブスク型は「Microsoft 365」として提供されている月額または年額で利用料を支払うタイプです。常に最新バージョンのOfficeアプリが使えるほか、Teamsなどのコミュニケーションツールやクラウドストレージなど、さまざまな追加サービスが含まれています。
ライセンスの基本的な違い
買い切り型とサブスク型の主な違いは以下の通りです。
- 料金体系:買い切り型は初期費用のみ、サブスク型は定期的な支払い
- 利用期間:買い切り型は永続的、サブスク型は契約期間のみ
- バージョン:買い切り型は購入時のバージョンのみ、サブスク型は常に最新版
- サポート期限:買い切り型にはサポート終了日がある、サブスク型は契約中は無期限
- インストール台数:買い切り型は通常1〜2台、サブスク型は最大5台(プランによる)
どちらを選ぶかは、企業の規模やIT環境、予算、業務内容によって大きく変わってきます。
ビジネス用途では法人ライセンスが必須
重要なポイントとして、Officeを業務で使用する場合は、必ず法人向けライセンスを購入する必要があります。家電量販店などで販売されている個人向けのOfficeパッケージは、商用利用が認められていない場合があるため注意が必要です。
法人ライセンスは買い切り型もサブスク型も提供されているので、自社の状況に合わせて選択しましょう。
価格で比較!買い切り型とサブスク型どちらがお得?
コスト面から見ると、短期的には買い切り型、長期的にはサブスク型が有利なケースが多いです。
買い切り型の「Office LTSC Professional Plus 2024」は1ライセンスあたり約4万円前後で、一度購入すれば追加費用なく使い続けられます。対してサブスク型の「Microsoft 365 Business Standard」は月額約1,360円(年間約16,320円)かかります。
単純計算では、約2年半で買い切り型の初期投資が回収できることになります。しかし、この計算だけで判断するのは早計です。
総所有コスト(TCO)で考える
実際のコスト比較では、単純な利用料だけでなく、総所有コスト(TCO)で考える必要があります。
- バージョンアップ費用:買い切り型は数年ごとの更新が必要
- 管理コスト:サブスク型はクラウド管理で効率的
- 追加サービス:サブスク型には多くの付加価値サービスが含まれる
- セキュリティ対策:サブスク型は常に最新のセキュリティ更新
例えば、買い切り型のOffice 2024のサポート期限は2029年10月と予測されています。その後も使用は可能ですが、セキュリティ更新が提供されなくなるため、セキュリティリスクが高まります。そのため、多くの企業ではサポート終了前に新バージョンへの更新が必要になります。
一方、サブスク型のMicrosoft 365は常に最新バージョンが利用でき、セキュリティ更新も自動的に適用されます。また、Teams、Exchange Online、SharePointなどの追加サービスも含まれているため、これらのサービスを別途導入する予定がある場合は、サブスク型の方がトータルコストで有利になることが多いです。
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機能面での比較ポイント
次に機能面での違いを詳しく見ていきましょう。
基本的なOfficeアプリケーション
Word、Excel、PowerPointなどの基本的なOfficeアプリケーションは、買い切り型とサブスク型のどちらにも含まれています。ただし、サブスク型のMicrosoft 365には、買い切り型にはない最新のAI機能や共同編集機能などが含まれています。
例えば、Microsoft 365には「Microsoft Copilot」などのAI機能が統合されており、文書作成の効率化や高度なデータ分析が可能です。これらの最新機能は買い切り型には含まれていません。
追加サービスと統合機能
サブスク型のMicrosoft 365には、基本的なOfficeアプリケーション以外にも多くの追加サービスが含まれています。
- Teams:ビデオ会議やチャットなどのコミュニケーションツール
- Exchange Online:ビジネスメール・カレンダー
- SharePoint:ファイル共有・社内ポータル
- OneDrive:クラウドストレージ(1ユーザーあたり1TB)
- セキュリティ機能:高度な脅威保護やデバイス管理(プランによる)
これらの追加サービスが必要な場合は、サブスク型を選ぶ方が合理的です。一方、単純にWordやExcelなどのOfficeアプリケーションだけが必要で、追加サービスは不要という場合は、買い切り型の方がコスト効率が良いかもしれません。
デバイス対応とモビリティ
サブスク型のMicrosoft 365は、Windows PCやMacだけでなく、タブレットやスマートフォンなど複数のデバイスで利用できます。一般的に1ユーザーあたり最大5台のデバイスにインストールが可能です。
一方、買い切り型のOffice 2024は、通常1〜2台のPCにのみインストールが可能で、モバイルデバイスでの利用には制限があります。
社員がさまざまなデバイスを使って業務を行う環境では、サブスク型の方が柔軟性が高いと言えるでしょう。
運用面での比較ポイント
Officeライセンスを選ぶ際は、導入後の運用面も重要なポイントです。
バージョンアップとアップデート
サブスク型のMicrosoft 365は、常に最新バージョンのOfficeアプリケーションが利用できます。機能追加やセキュリティアップデートは自動的に適用されるため、常に最新の状態を維持できます。
一方、買い切り型のOffice 2024は、購入時のバージョンが固定されます。セキュリティアップデートは提供されますが、新機能の追加はほとんどありません。新しいバージョンを利用するには、再度購入する必要があります。
ライセンス管理の容易さ
サブスク型のMicrosoft 365は、クラウドベースの管理コンソールを通じて、ユーザーの追加・削除やライセンスの割り当てが簡単に行えます。また、部署移動や退職に伴うライセンスの再割り当ても柔軟に対応できます。
買い切り型のOfficeは、ライセンスキーの管理が必要で、導入台数が多い場合は管理の手間が増えることがあります。また、PCの入れ替えなどの際にもライセンスの移行作業が発生します。
インターネット接続要件
サブスク型のMicrosoft 365は、定期的なライセンス認証のためにインターネット接続が必要です。通常は30日に1回程度の接続が求められます。
買い切り型のOffice 2024は、初回のライセンス認証後はオフライン環境でも問題なく利用できます。そのため、セキュリティ上の理由でインターネットに接続できない環境や、ネットワーク環境が不安定な場所での利用に適しています。
工場や研究施設など、インターネット接続が制限されている環境では、買い切り型が適している場合があります。
企業規模別・最適なライセンス選びのポイント
企業の規模や業種によって、最適なOfficeライセンスは異なります。ここでは企業規模別に選び方のポイントを解説します。
小規模企業(従業員50名未満)の場合
小規模企業では、初期コストの抑制と運用の簡便さが重要なポイントになります。
- 予算重視型:短期的な利用(1〜2年)なら買い切り型、長期的な利用ならサブスク型
- 成長志向型:柔軟なスケーリングが可能なサブスク型
- コミュニケーション重視型:TeamsなどのツールがセットになったMicrosoft 365 Business Standard
小規模企業でも、リモートワークを積極的に取り入れている場合や、社員間のコミュニケーションを重視する場合は、Microsoft 365 Business Standardなどのサブスク型が適しています。
中堅企業(従業員50〜300名程度)の場合
中堅企業では、コストと機能のバランス、そして将来的な拡張性が重要です。
- IT管理リソースが限られている:クラウド管理が容易なサブスク型
- セキュリティ重視:高度なセキュリティ機能を含むMicrosoft 365 Business Premium
- コスト最適化:部門ごとに必要な機能に応じて買い切り型とサブスク型を混在させる
中堅企業では、全社一律のライセンス体系ではなく、部門や役割に応じて最適なライセンスを選択するハイブリッドアプローチも効果的です。
大企業(従業員300名以上)の場合
大企業では、全社的な統合性、セキュリティ、コンプライアンスが重要な要素となります。
- 統合環境重視:Microsoft 365 E3/E5などの包括的なエンタープライズプラン
- セキュリティ・コンプライアンス重視:高度なセキュリティ機能を含むE5プラン
- 特殊環境対応:一部部門(工場や研究所など)には買い切り型Office LTSC
大企業では、Microsoft 365 E3/E5などのエンタープライズプランが一般的ですが、インターネット接続が制限されている環境や特殊な要件がある部門には、買い切り型のOffice LTSCを導入するケースもあります。
法人ライセンスの購入方法と導入ステップ
Officeの法人ライセンスを購入・導入する方法を解説します。
購入先の選択
法人向けOfficeライセンスは、以下のような購入先があります。
- Microsoft直接購入:Microsoft 365のサブスク型ライセンスはMicrosoft公式サイトから直接購入可能
- ライセンスリセラー:PCユービックなどの正規リセラーから購入
- ボリュームライセンス:大量導入の場合はボリュームライセンスプログラムを利用
少数のライセンスであれば、PCユービックなどの正規リセラーから購入するのが手軽です。PCユービックでは、Windows・Officeソフトウェアを格安価格で提供しており、すべての商品に正規認証保証が付いています。
導入前の検討事項
導入前に以下の点を検討しておくと、スムーズな導入が可能です。
- 必要なアプリケーション:Word、Excel以外に必要なアプリは何か
- 利用人数と部門:全社導入か特定部門のみか
- デバイス環境:Windows、Mac、モバイルデバイスの割合
- ネットワーク環境:インターネット接続の安定性
- 既存システムとの連携:社内システムとの連携要件
これらの要素を事前に整理しておくことで、最適なライセンス選びができます。
導入・移行のステップ
実際の導入は以下のステップで行います。
- ライセンス購入:必要なライセンス数を購入
- アカウント設定:サブスク型の場合は管理者アカウントを設定
- インストール:各PCへのインストールまたは展開
- ユーザートレーニング:必要に応じて新機能の研修を実施
- 運用体制の確立:ライセンス管理や問い合わせ対応の体制を整備
PCユービックで購入した場合、ライセンスキーはメールで納品され、入金確認後、通常2〜3営業日以内に送信されます。パッケージ製品の場合は、追跡可能な郵送で配送されます。
よくある質問と回答
最後に、Office法人ライセンスに関するよくある質問とその回答をまとめました。
買い切り型のOffice 2024はいつまで使えますか?
Office 2024は永続ライセンスのため、技術的には期限なく使用できます。ただし、セキュリティアップデートなどのサポートは2029年10月頃に終了すると予測されています。サポート終了後も使用は可能ですが、セキュリティリスクが高まるため、更新を検討する必要があります。
Microsoft 365は常にインターネット接続が必要ですか?
常時接続は必要ありませんが、ライセンス認証のために30日に1回程度の接続が必要です。オフライン環境でも基本的な機能は使用できますが、クラウド連携機能は利用できません。
法人で個人向けOfficeを使用しても問題ないですか?
法人利用の場合は、必ず法人向けライセンスを購入する必要があります。個人向けライセンスを業務で使用すると、ライセンス違反となる可能性があります。
買い切り型からサブスク型への移行は可能ですか?
技術的には可能ですが、買い切り型ライセンスの費用が無駄になる点に注意が必要です。計画的な移行を検討しましょう。
PCユービックでのライセンス購入の流れは?
PCユービックでの購入は、商品選択→注文・振込→納品の3ステップで完結します。ライセンスキーは入金確認後、通常2〜3営業日以内にメールで送信されます。法人・団体からの注文にも対応しており、複数個・複数種類の一括注文や、お見積書・納品書・請求書(インボイス対応)の発行も可能です。
まとめ:自社に最適なOffice法人ライセンスを選ぼう
Office法人ライセンスの選択は、企業のIT戦略において重要な決断の一つです。
買い切り型(永続ライセンス)は、初期投資は大きいものの長期的なコスト削減が可能で、オフライン環境でも安定して利用できるメリットがあります。一方、サブスク型(Microsoft 365)は、初期費用を抑えられ、常に最新機能が利用でき、多様な追加サービスが含まれているメリットがあります。
最適な選択は、企業規模、予算、業務内容、IT環境などによって異なります。短期的なコスト、長期的なTCO、必要な機能、運用管理の容易さなど、多角的な視点から検討することが大切です。
この記事が、あなたの会社に最適なOffice法人ライセンスを選ぶ際の参考になれば幸いです。
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